更新日:令和5年4月29日
1992年 30分
「この話はすべて遠野の人 佐々木鏡石君より聞きたり」
この一文で始まる『遠野物語』は、遠野の青年であった佐々木喜善の協力のもと、明治43年に柳田国男によって書き上げられました。岩手の山奥の町に伝わる119の民話を収めたこの作品は、日本民俗学の礎を築き上げ、文学界でも一定の地位を獲得するなど、ひとかたの民話集にとどまらない功績を残しました。物語の舞台となった遠野の里には、伝説を確かめようと現在でも多くの人が訪れており、出版から100年がたった今でも私たちを魅了しつづけています。