更新日:平成25年4月27日/掲載日:平成25年3月26日
日本の子ども向け読み物の歴史は、室町時代の短編物語「御伽草子(おとぎぞうし)」や、江戸時代の「赤本」と呼ばれる絵本にさかのぼることができます。明治に入ると、外国から新しい知識や文学作品が移入し、明治20年代半ばには本格的な創作児童文学が誕生するようになりました。大正時代には『赤い鳥』をはじめとする童話雑誌が刊行され、芸術性の高い童話や童謡が生まれ、児童文学というジャンルが確立しました。
このような歴史ある児童文学の中で、岩手県は、民話の宝庫と言われる豊かな伝承の世界を背景に、宮沢賢治をはじめとする多くの児童文学作家を輩出しています。
本展では、「こどもの読書週間」(4/23~5/12)に合わせ、日本の児童文学の歩みを所蔵資料でたどるとともに、岩手の児童文学作家たちの作品を紹介します。「こどもの読書週間」は、子どもたちにもっと本を、もっと本を読む場所をとの願いから、昭和34年に誕生し、図書館・書店・学校を中心に、子どもたちと本を結ぶ様々な行事が行われるもので、子どもに読書を勧めるだけでなく、大人にとっても、子どもの読書の大切さを考えるときでもあります。
自然豊かな風土で育まれた、郷土ゆかりの作家たちの活躍を知るとともに、子どもの読書の大切さについて理解を深める機会となれば幸いです。