掲載日:平成26年7月15日
日本人は古くから、海・山・里の豊かな自然の恵みを受け、多様な食材を活かした食生活を営んできました。日本人が育んできた食文化・和食は、平成25年(2013)にユネスコの世界無形文化遺産に登録され、世界的にも関心が高まっています。
近年では、各地の郷土食が改めて注目を集めており、本州一の広い面積を誇る岩手県は、地域によって多彩な食文化を伝えています。また豊かな自然の中で、良い米・水に恵まれた岩手は、古くから酒造りが盛んで、越後・丹波と並び日本三大杜氏に数えられる、南部杜氏の里としても知られています。この酒造りの技と心は現在も継承されており、本年は南部杜氏組合(現・一般社団法人南部杜氏協会)設立100周年の節目の年に当たります。
本展では、南部杜氏を中心とした岩手の酒造りの歴史や伝統的な酒造工程を紹介するとともに、県内の多彩な食文化にまつわる所蔵資料を展示します。郷土に伝わる民俗文化や産業について改めて理解を深め、次代へ受け継ぐ機運を高める機会となれば幸いです。