更新日:平成27年4月18日/掲載日:平成27年1月18日
釜石鉱山は、釜石市甲子・栗林両地区から遠野市上郷地区にまたがる鉄鉱山で、その歴史は享保12年(1727)に甲子村仙人峠で磁鉄鉱が発見されたことにさかのぼります。江戸時代末期になると、日本沿岸に頻繁に出没する外国船への防備のため、西洋の高い技術に対抗できる鉄製の大砲鋳造が求められました。そこで安政4年(1857)盛岡藩士・大島高任は、良質な鉄鉱石を産出する甲子村大橋(現釜石市甲子町大橋)に洋式高炉を建設し、日本で初めて鉄鉱石製錬による出銑操業に成功しました。これをもとに翌5年(1858)から橋野村青ノ木(現釜石市橋野町青ノ木)に建設されたのが橋野高炉です。
日本近代製鉄の先駆けの地である「橋野高炉跡及び関連遺跡」は、「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の構成資産の一つとして、本年開催される第39回世界遺産委員会での世界文化遺産登録を目指しています。
本展では、幕末から明治初期の釜石鉱山に関する古文書を展示し、その開発に携わった大島高任の業績について紹介します。郷土の歴史や先人について理解を深めるとともに、「橋野高炉跡及び関連遺跡」世界遺産登録への機運を高める機会となれば幸いです。
企画展「釜石鉱山と大島高任~橋野高炉跡及び関連遺跡を世界遺産へ~」を担当者が解説します。時間までに、アイーナ4階 岩手県立図書館 企画展示コーナーまでお集まりください。