更新日:平成30年5月22日/掲載日:平成30年1月17日
「健康でありたい」――今も昔も変わることのない、人々の切なる願いです。
日本では古くから、病を治すためのまじないや祈りが行われてきました。やがて大陸から医療技術が伝わり、中央の朝廷では医療体制が定められます。中世には民間の医師が登場し、それまで一部の上層階級に限られていた医療知識が、より広い階層へと普及していきました。16世紀には西洋医学が伝来、江戸時代に入ると、安永3年(1774)杉田(すぎた)玄(げん)白(ぱく)らにより『解体新書』が出版され、日本近代医学の原点となりました。この頃には、玄白の高弟で一関藩出身の大槻(おおつき)玄沢(げんたく)など、岩手ゆかりの医師たちの活躍もみられました。
本展では、まじないから西洋医学の導入まで、日本の医学の歴史をたどるとともに、江戸時代の岩手ゆかりの医師を紹介します。さらに本県の医学教育を長きにわたって支え、昨年創立120周年を迎えた岩手医科大学の歩みを中心に、近代岩手の医学教育の歴史を振り返ります。
人々が病という人生の危機とどう向き合い、乗り越えてきたのか。そして、高い志を持ってこの困難に立ち向かい続けた、郷土の先人たちについて知る機会となれば幸いです。
企画展「岩手の医学」を担当者が解説します。時間までに、アイーナ4階 岩手県立図書館 企画展示コーナーまでお集まりください。