更新日:平成30年8月1日/掲載日:平成30年3月18日
古来日本の人々は、植物の開花や渡り鳥などから自然の変化を感じ取り、日々暮らしていました。
6世紀中ごろ、中国で発達した太陰太陽暦(旧暦)が日本に伝わります。大化の改新で定められた律令制では、朝廷が暦を制定し、天文・占いなどをつかさどる陰陽寮が暦の作成にあたりました。その後も中国王朝の暦法をそのまま導入し、平安時代に採用された「宣明暦」が800年以上にわたって使用されました。
やがて江戸時代に入り、渋川春海による日本最初の暦法が採用され、各地で暦が出版されるようになります。盛岡藩内では字の読めない人のために絵だけで字音や言葉を表現した「盛岡暦」や「田山暦」が作られ、庶民の間で用いられました。特に「盛岡暦」は明治以後中断した時期があったものの、現在も版元をかえて刊行されています。
本展では、暦の伝来から太陽暦の導入まで日本の暦の歴史をたどるとともに、江戸時代に作られた岩手の絵暦を紹介します。機知に富んだ暦の面白さや岩手に生きる人々の生活や文化を知る機会となれば幸いです。