現在位置: トップページ > 児童コーナー催し物ヒント集 > ファイルNo.6「お正月をあそぼう!~古絵図deすごろく~」
更新日:平成25年10月1日
「お正月を遊ぼう!」は岩手県立図書館の新年恒例イベントです。毎年少しずつ趣向を変えて実施していますが、参加者が少なかったり多すぎて収拾がつかなかったりと四苦八苦していました。
そこで今年は新たな試みとして、「お正月らしさ」に「県立図書館らしさ」の要素をプラスしたイベントにしようと児童担当スタッフ全員で頭をひねりました。その結果、「県立図書館らしさ」という観点から貴重書庫に保管している古絵図を使うという案が出され、古絵図を使ってお正月らしい遊びをするならすごろくを作ってはどうかということで意見がまとまりました。すごろくの内容は、古絵図を使うから歴史に絡めたもの、具体的には道中双六のように旅をする感覚で歴史を年代順にたどって、遊びながら岩手の歴史を学ぶことができるもの、と決定しました。
すごろく制作は、①紹介する古絵図を選ぶ、②古絵図を撮影、③拡大してプリントアウトする、④それを貼り合わせて一枚の大きな絵図を作る、⑤その上にマスを貼り付ける、という手順で進めました。
すごろくには「一回休み」や「○マスすすむ」「○マスもどる」などのマスも必要ですが、それらの指示も「中尊寺金色堂が完成、3マスすすむ」など歴史上の事柄に絡めたものにし、また歴史や文化に関するクイズに正解すればすすめるというマスも作りました。
分割された絵図を貼り合わせる、パズルのような作業。なぜか絵柄が合わない場所があり、悪戦苦闘。
貼り合わせた絵図の上にマスを貼り付ける作業。絵図の大きさに合わせて、再びパズルのように紙を配置していきます。
超巨大すごろくを目指したものの、各種の事情によりこのサイズ(盛岡版・平泉版ともに縦横約160センチメートル程度)になりました。
県内企業が開発・販売している「盛岡城本丸三十櫓(天守)」(推定復元)のペーパークラフトを飾りました。
13時開始の1回目、15時開始の2回目ともに7人ずつの子供が参加してくれました。参加者のほとんどが低学年であったため、歴史に関してはわかったようなわからないような、という反応の子どもたちが多かったのですが、それでもすごろくは純粋に楽しんでいただきました。また中にはすごろくが楽しいと言って2回参加する子もいました。すごろくの中に組み込んだ、盛岡や平泉に関するクイズも喜んでもらえていたようです。
普段見ることのない貴重書庫や古絵図も、大人の方も含め参加者全員熱心に見ていて、図書館には様々な資料があることを知ってもらう意味でも、このような機会を設けることの重要性を感じました。
大型の金庫のような鉄扉の内側に、もう一つの扉。踏み台を使って窓ごしに中をのぞいてもらいました。
今回のすごろくのもとになった地図のほか、昔のすごろくや凧なども紹介しました。
歴史のことはよくわからない子も、保護者に色々教えられながら楽しんでくれました。
「チャンスクイズ!」の問題と答え(一例)
未就学児用に用意した手作りふくわらい。小学生にも大人気!
高学年の子供たちをイベントに呼び込むことは難しく、試行錯誤していますがなかなか結果に結びつかないのが現状です。(子どもが友達同士で来館しにくい立地条件ということもあるのですが)
古絵図を使い、郷土の歴史や文化に触れていただくという今回の企画の内容からすると、高学年をターゲットにできるイベントなので、今後もいろいろな展開できる可能性があると感じました。今回もっとも反応がよかったのが、歴史好きと本人が言っていた4年生の女子であったことから、高学年向きのPR方法としてはすごろくよりも歴史の方面をより強調するのが有効だったかもしれません。