現在位置: トップページ > 児童コーナー催し物ヒント集 > ファイルNo.24「外へ飛びだせ! おはなし会」
掲載日:令和2年8月28日
新型コロナウイルス感染防止のため、おはなし会を開催できないまま、数ヶ月が過ぎました。
厚生労働省の「新しい生活様式」の実践例や日本図書館協会の「図書館における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」に基づきながら、おはなし会を開催するには…?と頭をひねり、出た結論は「屋外でやってみよう!」でした。
しかし、屋外でも参加者同士は1m以上離れてもらう必要があります。そこで、読み聞かせブースを3か所設け、それぞれに話し手を配置し、家族ごとにおはなし会をすることにしました。
事前申込みなしで、開催時間内であればいつでも参加できる、10分程度の気軽なおはなし会です。
今回のイベントは、新型コロナウイルス感染防止等のため、受付が必要になります。
参加者に新型コロナウイルスの感染が確認された場合、保健所等と情報を共有するため、連絡先カードを記入してもらいます。ポスター・チラシには「風邪の症状がある方、発熱のある方はご遠慮ください」とあらかじめ記載し、当日も受付で体調を確認します。
また、スタッフだけでなく参加者にもマスクの着用と手指消毒をお願いします。マスクをお持ちでない方には、手作りの簡易マスクを渡すことにし、簡易マスク50枚とアルコール消毒液を受付に用意しました。
読み聞かせブースは2m以上離し、他の参加者同士が接近しないようにしました。スタッフが空いているブースに案内する際も、他のブースの後ろを通るようにし、読み聞かせ中の参加者がおはなしに集中できるよう配慮します。
心配なのが、天候です。急な雨の場合はどうするか? 会場を図書館内に変更した場合の3密を防ぐ方法は? 本をぬらさないためにどうするか? と、次々と問題点が挙がります。
やっと開催することになったイベントです。雨天中止にしないため、雨の場合は、会場を換気しやすい児童図書研究室に移し、一度につき一家族に限定しておはなし会を行うこととしました。また、急な雨に備えブックトラックの覆いとなる大きなビニールとカサを準備します。
どの様な家族構成でも対応できるよう、幼児向け/低学年向け/中・高学年向けと、3種類の基本プログラムを決めました。
おはなし会で読んだ本のリストは、ブックトラックに置き、自由に持ち帰ってもらいます。
屋外での読み聞かせに適した声の大きさや、絵本の見せ方を考えなければなりません。
会場は車道に近く、横断歩道や車の走行音で聞こえづらくなります。さらに、マスクを着用しているため声が届きにくく、普段より大きな声で読む練習を行いました。しかし、声を張り上げることは避け、読み聞かせに適した声量と表現を心掛けました。
また、風が吹いても絵本をしっかり支えられるよう、本の持ち方についてもアイディアを出し合いました。
屋外開催の可否は、会場準備やアナウンスのため、午前中に判断しました。幸いにも好天に恵まれ、当日11時に屋外での開催を決定。
受付や各ブースで使用するブックトラック4台、イス12脚等を会場に運び、準備完了です。
少しずつ人が集まり、久しぶりのおはなし会が始まりました。
家族だけの読み聞かせのためか、皆さんリラックスした様子です。一緒に手遊びをするお父さんやお母さんを見て、子どもたちもうれしそうです。
盛岡駅が近いため、新幹線や列車が通ると子どもたちの集中が途切れる場面もありました。
風でブックトラックが動いてしまい、本を読みながら押さえなければならない時間帯もありました。屋外ならではの難しさはありましたが、参加者の皆さんは、解放感を味わいながら、一味違う読み聞かせを楽しんでいたようです。
参加者入れ替えの際にはイスの消毒を行い、感染リスクの軽減に努めました。体調の悪い方もなく、無事終了することができました。
連絡先カードの記入やマスクの着用には、皆さん快く協力してくれました。感染症対策を講じていることが分かり、安心しておはなし会に参加していたようです。
参加者からは「親にも一緒に読んでもらって、とても楽しかった」「好きな絵本を読んでもらった」等の感想をいただきました。
また、参加者の年齢や要望に合わせて臨機応変にプログラムを変更できることが、家族ごとの読み聞かせの良い点だと感じました。
今回は6月末の開催となり、屋外は気温が上がる時期でした。幸い、会場は午後になると日陰となる場所でしたが、熱中症の心配があるため、もう少し涼しい時期に開催できれば良かったと感じます。