現在位置: トップページ > 児童コーナー催し物ヒント集 > ファイルNo.28「むかしばなし探偵~かれらの情報をあつめろ!!~」
掲載日:令和5年5月5日
桃太郎のお話を知らない、という児童と出会ったのがきっかけで、この催事を企画しました。
読む力を引き出すアニマシオンを取り入れ、昔話「桃太郎」「浦島太郎」「金太郎」の情報を参加者に調査してもらいます。調査内容をみんなで見て楽しみながら、お話への興味や理解を促すことができると考えました。
まず、調査内容を決めます。それぞれの昔話をよく読んで、内容を考えます。しっかりお話を読まないとわからない難しいものから、知っていることを何でも書いて、という易しい調査まで用意しました。
来館のたびに何度も挑戦する参加者もいると予想して、調査内容はそれぞれのお話について10問ずつ作りました。用紙の裏には、両面テープを貼っておきます。
調査用紙には、探偵とお話の主人公のイラストを配して、楽しい雰囲気を演出しました。
桃太郎調査用紙
[PDFファイル:734キロバイト]
浦島太郎調査用紙
[PDFファイル:775キロバイト]
金太郎調査用紙
[PDFファイル:810キロバイト]
調査用紙と参加者プレゼントは、封筒に入れます。ピンクが桃太郎、水色は浦島太郎、黄色が金太郎とおはなしのイメージで色分けしました。調査用紙を封筒に入れると中身が分からないので、選ぶときワクワクするのではないかな、と想像しながら作りました。
プレゼントとして、桃太郎には桃、浦島太郎にはカメ、金太郎にはクマと、お話にちなんだ折り紙を入れました。
調査結果は壁面に貼り付けます。桃太郎、浦島太郎、金太郎の大きなイラストを貼り、掲示場所を分かりやすくしました。
主人公ごとに貼ることで、他の人の調査を見つけやすくなり、参考にすることができます。
展示の本を読んで調査してもらうため、調査用紙は展示資料のそばに置き、自由に選んでもらいます。
両面テープの紙を入れるごみ入れも用意しました。
3つのお話が常に展示場所に並ぶよう、気を配りました。当館では金太郎の蔵書が少ないため、資料を借りる人がいると調査用の本が足りなくなるかもしれないと心配でしたが、その場で本を開いて調査する参加者がほとんどで、なくなることはありませんでした。
同じお話でも、資料によって書かれていることが相違しているため、調査結果は一様ではありません。同じ調査内容なのに違った結果が掲示されると、作品への興味がさらに刺激されるのでは、と期待して展示資料を並べました。
調査に時間をかけ、丁寧に資料を見ている参加者が多く見られました。また、家族で協力して調べている姿もたびたびあり、皆さんで楽しんでいる様子でした。
「金太郎がすんでいた山のなまえは?」という調査では「あ~しがらや~まの」と金太郎の歌を口ずさんで教えているお父さんがいたり、「浦島太郎は竜宮城で何が踊って歌うのを見た?」という調査文を読んだ子が、ひらひらとその場で踊っていたり、とほほえましい姿が見られました。
調査用紙の入った封筒は自由に選んでもらっていましたが、しばらくすると、水色や黄色の封筒を選ぶ参加者が多いことが分かりました。なぜ桃色はあまり選ばれないのかと、不思議に思っていました。するとある日、桃色の封筒を見て「女子や小さい子の色っていう感じがする」と話している小学生を見かけ、なるほどと思いました。参加者の増加とともに、桃色を選ぶ子も増え、最終的には同じくらいの数になりました。
記入された調査用紙を見ると、参加した皆さんが積極的に資料を調べたことが伝わってきます。「金太郎は大きくなって何という人になったか、名前がわかるかな?」という、大人でも難しい調査では、展示資料にない本を調べている子がいました。「金太郎は、本当にいた人なんだね」と満足そうな表情で話してくれました。イラストや楽しいセリフを書いてくれる参加者もいて、それぞれが、本を読んで調べる楽しさを感じていたようです。
壁面が埋まってくると立ち止まって読む来館者も増えてきます。「よく調べているね」「このイラストじょうず!」等感想を聞くことができました。「なつかしい」と古い絵本を手に取る方もあり、調査をする子どもだけでなく、大人にとっても興味深い催事となったようです。
イラスト入りや セリフをそえた 楽しい情報が集まりました。
表も裏も情報がびっしり貼られ にぎやかになった児童コーナー。
調査のためにいそいそと会場に行き、うれしそうに封筒を選ぶ子がたくさん見られました。
「見て見て、"探偵"だって」「"情報をあつめろ"って書いてあるよ」と言う子どもたちの声が聞かれ、タイトルのおもしろさも効果的だったようです。
その場で保護者の読み聞かせが始まる事も多く、思いがけないイベントに子ども達の楽しそうな顔をたくさん見る事ができました。
開始当初、同じ調査内容の用紙が続いて掲示されたので、慌てました。全て封をしてしまったため確認もできませんでした。いろいろな調査内容の封筒を置くよう、もっと配慮すれば良かったと思いました。
情報が集まるとともに、掲示が重くなり、全体が剥がれ落ちそうになったことがありました。最終的に470枚の調査用紙が貼られたので、壁にしっかりと貼り付ける必要がありました。