更新日:平成27年7月27日/掲載日:平成27年5月14日
鎖国体制下の江戸時代の人々は、唯一交易を許されたオランダを通して西洋の学問を学びました。蘭学と呼ばれたこの学問は、安永3年(1774)杉田玄白らの『解体新書』出版をきっかけにさかんになりました。医学からはじまった蘭学は、やがて博物学・天文学・地理学等へと多様化し、幕末には日本に近づく外国船への防備のため、軍事科学分野が重視されるようになりました。安政元年(1854)の開国以降は、オランダ語以外の外国語、特に英語が広まり、洋学へと展開していきます。
本年は、蘭学草創期を担った杉田玄白が晩年に執筆した『蘭学事始』の完成から200周年にあたります。同書を校訂した玄白の高弟で一関藩出身の大槻玄沢は、多数の著書を著すと共に多くの門人を育て、蘭学界の中心人物として活躍しました。
本展では、この大槻玄沢をはじめ、建部清庵、高野長英、八角高遠、箕作省吾、大島高任など、郷土ゆかりの洋学者たちの業績を紹介します。旺盛な知的好奇心と探究心、そして先見性を持ち、新たな知識を貪欲に求め続けた先人たちの情熱を感じ、郷土の歴史について理解を深める機会となれば幸いです。
・「いわて人物史 vol.1より 大島高任」(27分)
・「いわて人物史 vol.3より 高野長英」(27分)